PROJECT STORY 複合商業施設「FIRST」#02

VALUE POINT現代をアクティブに生きる、
ユーザーのニーズを先取り。
上質な空間で過ごす時間を愉しむ、
新しいコンセプトの会員制施設。

プロジェクトメンバー

福元 晟紀
福元 晟紀
新都市企画株式会社
近畿圏事業部
事業企画部 マネージャー
加藤 直史 氏
加藤 直史 氏
株式会社
HIGHSPOT DESIGN
代表取締役
プロジェクトディレクター

プロジェクト概要

所在:
京都市下京区東塩小路町600-52
NUP TERRACE京都駅前1~3階
交通:
JR「京都」駅 徒歩4分(C-10出口)
構造:
鉄筋コンクリート造 地上4階建
土地面積:
253.85㎡
延床面積:
600.59㎡
用途地域:
商業地域
築年月:
2020年3月
事業主:
新都市企画株式会社
HP:
https://first-kyoto.com/

PROJECT STORY

CHAPTER01『ユーザーが集いたくなる場所』
という着想。

京都駅から、徒歩4分。東塩小路町の大通りから一本入った先に、複合商業施設『FIRST』はある。
地上4階建のビルの1階には『サウナ』、2階には『インドアゴルフレンジ』、3階には『シェアオフィス』。
異なる3つのゾーンが融合した複合商業施設として、業界内外から広く注目を集めている。

オフィスとゴルフとサウナの一つひとつを利用することもできるが、それらをオールインワンで愉しめることに「FIRST」ならではの価値がある。
物件の開発から運営まで、その推進を担うのは新都市企画の福元晟紀。『FIRST』の誕生の経緯について、こう振り返る。

「元々この物件はテナントさま向けに貸し出す、一般的な商業施設として開発しました。しかし、コロナの影響もあり、リーシングが思わしい状況とは言えませんでした。そこで新しいコンセプトの物件として、改めて開発し直そうということになったのです」。

ちょうどその頃、新都市企画の代表である北村から、「サウナ施設」の需要が伸びている話を聞いた。また、福元自身も、リモートワークの浸透やシェアリングサービスの広がりによって、人々の働き方や消費に対する価値観の変化を感じていた。

不動産も従来のやり方だけでは、時代のニーズにこたえきれない。現代をアクティブに生きるユーザーが、「集いたくなる場所」を提供できないだろうか。その一つの答えが、「働く・遊ぶ・整う」が揃った『FIRST』だった。

1階:FIRST THE SAUNA
2階:FIRST THE GOLF
3階:FIRST THE BASE

CHAPTER02物件オーナーとしての視点と、
エンドユーザーとしての視点。

『FIRST』のこだわりの一つに、「内装」がある。福元はその理由をこう語る。

「まず、欠かせない要素は、『ラグジュアリー感』だと思いました。ターゲットとなるユーザーは、比較的生活にゆとりのある、仕事も娯楽もアクティブに楽しみたい層です。好きな時間に、自分だけの時間を愉しむ。そんな「隠れ家」にふさわしい雰囲気づくりが重要だと考えました」。

2022年の初夏。内装のデザインであれば、是非お願いしたい人がいる。福元が依頼した先は、HIGHSPOT DESIGNの加藤 直史 氏であった。

「加藤さんとは以前から、当社のプロジェクトで協業いただいていた間柄。デザインのクオリティに関しては、最も信頼しているパートナーの一人です。また、温浴施設も含めた様々な物件を手がけた実績があり、海外の空間デザインのトレンドに詳しい点も魅力ですね」。

早速、福元と加藤は開発の方向性について、ゼロベースから検討を開始した。約3ヶ月間、物件のコンセプトからマーケティング戦略、内装のデザインはもちろん、具体的なサービス内容や料金設定、収支のシミュレーションなどといった詳細を詰めていった。

「所有物件のリノベーションという意味で、本件において当社は物件オーナーという立場になります。オーナーとしては、できるだけリスクを抑えつつ、収益性を高めたい。一方で、施設を実際に利用するユーザーとしては、低コストでありながら高品質のサービスを享受したい。この両者の視点で考え、最適なバランスを追求すること。それを常に意識しました」。

PROJECT STORY
FIRST外観

CHAPTER03『開発』して終わりではない。
『運営』まで踏み込むという挑戦。

2024年1月30日。福元と加藤を中心としたプロジェクトは、無事、グランドオープンを迎えた。
テレビやラジオなどのメディアでも取り上げられ、上々のスタートをきったかのように見える。
しかし、福元は決して楽観視をしていない。

「当社はデベロッパーとして、物件の『開発』を主事業としており、それは今後も変わりません。ただ、『FIRST』に関しては、『開発』だけでなく、『運営』まで主体者として携わっている点が大きな特徴です」。

『運営』を担うからこそ見えてくる、ユーザーのインサイトがある。言葉では言い尽くせないほどの、たくさんの気づきがあると福元は言う。

「やはり、実際のオペレーションの現場では、シミュレーション通りにいかないことも多々あります。また、サウナ、インドアゴルフレンジ、シェアオフィスそれぞれの問い合わせはあっても、オールインワンで愉しむという認知はまだまだ薄いとも感じています。それでも徐々に法人でのお申し込みもいただくなど、『現代にフィットする空間』としての認知は高まっていきている手応えはありますね」。

CHAPTER04今回のプロジェクトの
意義とは。

加藤も福元とともに、現在もオペレーションの現場と向き合い続けている。
「新都市企画さんにとって、ここまで『運営』に踏み込む案件は初めてではないでしょうか。
福元さんのチャレンジ精神溢れる判断力や展開力には驚かされますね。
企業としての柔軟さやスピード感はもちろんですが、それを実践できる社員の方々の能力の高さを感じます」。

福元は『FIRST』の開発・運営で得た経験を、次の新しいビジネスの糧にしたいと考えている。

「今回のプロジェクトを通じて、不動産ビジネスの新しい可能性を感じることができました」。

人々の働き方やライフスタイルの変化に対して、どんなソリューションを提供できるか。物件を買う・借りるだけではなく、会員制の空間としてサブスクリプションでご契約いただけないか。これまでの常識や枠組みにとらわれずに、これからの時代を生きる人々が求めるソリューションを発信し続けたい。

複合商業施設『FIRST』は、そんな新都市企画らしいビジネスの一例となった。

取材日 2024年4月

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